
■バローロ村の代表的造り手で、多くの醸造家がここで学んで独立していった。G.Dヴァイラアルド氏は多くの造り手から先生と慕 われる醸造家であり人格者。現在では息子のジュゼッペも醸造に参加。
現当主「アルド・ヴァイラ」と「ミレーナ」は穏やかでピ エモンテは勿論、他の産地の造り手からも慕われる 人格者。
醸造や栽培の経験を若い世代に伝えるこ とにも力を入れていている。
現在は息子の「ジュゼッペ」が醸造を担当。「イシド ロ」が栽培担当としてカンティーナに参加し、家族経 営を続けている。
「アルド」の父はワイン造りを仕事とせず、アルバで働 いていた。
「アルド」は醸造学校を卒業後、お爺さん が所有していた僅か0.3haの畑と樽の鉄枠だけを相 続してワイン造りを開始する。
『転機は不況下の 1986 年。雹害で全ての畑が壊 滅的な被害を受けた。
多くの造り手が廃業したが、 僕は借金をして畑を買い増した』
この判断で「アルド」はバローロ村の重要な畑「ブリッ ク・ヴィオーレ」「フォッサーティ」「レ・コステ」等最良 の畑ばかりを所有している。
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彼等はワインが美味しいのは当然と考える。その上で安全で清潔でなくてはいけない。
そして、美しいも のでなければならない。
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タンク内で全ての葡萄が一斉に発酵を始めることが 重要。
ジュースの部分は酸化とバクテリアに侵され、 葡萄以外の香で出てしまう。
彼等のバローロは均整の取れた酒質。素直にフル ーツを感じさせる。
熟成と共に妖艶さを増していくが、 ネッビオーロらしさは薄れない。
『僕等は伝統派だが、革新的でありたい。だから毎 年 100 種以上の発酵を行い、最適の発酵を試して いる。醸造は毎年変わる』
ネッビオーロはカベルネやメルローと違い果汁自体 に「アントシアニン」を含まない。
『香味成分は果皮に多い。だからフォラトゥーラ(櫂 入れ)が大切。櫂入れで果皮にアルコールが染み 香味成分を抽出する』
高樹齢の葡萄は小粒なので果皮比率が高い。高樹齢であれば過度な抽出は粗さをだしてしまう。櫂入れも半分程度で果帽をぬらす程度。強く動かしてはいけない。 「ブリッコ・デッレ・ヴィオーレ」は樹齢 50 年を超える。 マセラシオンは25日間と長いが、櫂入れは他のバロ ーロの半分程度となっている。
『ブリッコ・デッレ・ヴィオーレはミケとランピアだけの 50 年樹。
寒い畑なので名前の通りスミレの香が出 る。強く櫂入れすると繊細な香は消えてしまう』
フレイザの最高峰の1つ。この品種はネッビオーロ以上に良い条件と樹齢の高さ、そして収量の制限が重要で効率が悪い。ヴァイラでは30年以上の樹しか使わない。
とても高品質なフレイザ、ミディアムボディの芯の通った味わい・・。【G.D.Vajra G.D.ヴァイラ】